肩こりの原因と症状、おすすめの肩甲骨ストレッチを解説
つらい肩こりの原因や、重さ・痛みといった代表的な症状について解説します。
日常生活に潜む原因を知り、自身の状態を把握することが解消への第一歩です。
この記事では、自宅で簡単にできるおすすめのセルフケアとして、硬くなった筋肉をほぐす肩甲骨ストレッチや、血行を促進する方法を紹介します。
また、肩こりを繰り返さないための予防策もあわせて解説するので、慢性的な悩みの解消にお役立てください。
そもそも肩こりとは?重さや痛みなど代表的な症状
肩こりとは、首の付け根から肩、あるいは背中にかけての筋肉がこわばり、重さや痛み、不快感などを感じる状態の総称です。
その特徴は多彩で、単に肩が重いだけでなく、頭痛や吐き気、めまいといった症状を伴うケースも少なくありません。
症状が右肩や左肩のどちらか一方に強く出ることもあります。
ひどくなると腕が上がらない、腕や手にしびれを感じるなどの状態に至ることも考えられます。
また、首こりや腰痛を併発している場合も多く見受けられます。
なぜ肩はこるの?日常生活に潜む4つの原因
肩がこる主な理由は、首から肩にかけて広がる僧帽筋や、その深層にある菱形筋といった筋肉が緊張し、血行不良に陥ることです。
重い頭や腕を支えているこれらの筋肉は、日常生活のさまざまな動作の影響を受けやすく、負担がかかりやすい部位といえます。
多くの場合、生活習慣の中に原因が潜んでいますが、自分では原因がわからないと感じる人も少なくありません。
ここでは、肩こりを引き起こす代表的な4つの原因について解説します。
長時間のデスクワークやスマホ操作による筋肉の緊張
デスクワークやスマートフォン操作などで長時間同じ姿勢を続けると、頭が前方に出る前かがみの姿勢になりがちです。
この姿勢は、首から肩にかけての筋肉に大きな負担をかけ、筋肉を硬い状態にしてしまいます。
特に胸や鎖骨周りの筋肉が縮こまり、背骨の自然なカーブが失われると、肩甲骨の動きも悪化します。
このような身体的な要因に加え、パソコン作業に伴う眼精疲労や、仕事上の精神的なストレスも筋肉の緊張を増幅させ、肩こりを悪化させる一因となります。
運動不足や体の冷えが引き起こす血行不良
日常的に体を動かす習慣がない運動不足の状態では、筋肉のポンプ機能が十分に働かず、全身の血行不良を招きやすくなります。
特に肩周りの筋肉は、動かさないとすぐに硬くなってしまいがちです。
また、体の冷えも血流を悪化させる大きな要因となります。
夏場の冷房が効いた室内や、寒い冬の環境では血管が収縮し、筋肉に十分な酸素や栄養が届きにくくなります。
なで肩の人は、もともと筋肉に負担がかかりやすい骨格のため、血行不良による肩こりを起こしやすい傾向があります。
加齢に伴う首の骨や筋肉の衰え
年齢を重ねることも肩こりの一因です。
40歳代頃から、首の骨である頸椎や、骨と骨の間でクッションの役割を果たす椎間板が変性しやすくなります。
これにより、神経が圧迫されて痛みやこりが生じることがあります。
また、加齢に伴い、頭や腕を支える筋力が徐々に低下することも、肩周りの筋肉にかかる負担を増大させます。
40歳を過ぎると筋肉の柔軟性も失われやすくなるため、以前は何ともなかった動作でも、筋肉が疲労しやすくなり、肩こりを感じやすくなります。
注意したい病気が原因となっているケース
多くの肩こりは生活習慣に起因しますが、中には注意すべき病気が隠れている可能性もあります。
例えば、高血圧や貧血といった循環器系の問題が、肩周りの不調として現れることがあります。
また、直接関係ないように思える虫歯や顎関節症が、顎から首にかけての筋肉を緊張させ、肩こりを引き起こすことも珍しくありません。
その他、熱中症の初期症状として見られる場合や、内臓の病気による関連痛、筋肉や関節の炎症が原因のケースも考えられます。
血圧の変動とともに症状が出る場合は特に注意が必要です。
まずは自分の状態を知ろう!肩こりセルフチェック
自分の肩こりがどの程度の状態なのかを客観的に把握するために、簡単なセルフチェックを試してみましょう。
まず、壁に背中、お尻、かかとをつけて自然に立ち、後頭部が壁につくか確認します。
後頭部が自然につかない場合は、頭が前に出た姿勢が癖になっている可能性があります。
次に、両腕をまっすぐ前に伸ばし、そのまま真上に上げてみてください。
腕が耳の横までスムーズに上がらない、または痛みを感じる場合は、肩甲骨周りの筋肉が硬くなっているサインです。
このチェックで、自身の体の状態を知ることがケアの第一歩となります。
つらい肩こりにアプローチ!自宅でできる簡単セルフケア
つらい肩こりを和らげるには、硬くなった筋肉をほぐして血行を促進することが基本です。
自宅で手軽にできるセルフケアを取り入れて、症状の改善を目指しましょう。
筋肉の緊張を直接的に緩和するストレッチやマッサージ、血行を促すツボ押し、リラックス効果も期待できるヨガなどが有効です。
また、体を温めることや、市販薬を上手に活用する方法もあります。
ここでは、日常生活の中で実践しやすい具体的なセルフケアの方法をいくつか紹介します。
硬くなった筋肉をほぐす肩甲骨ストレッチ
肩こり解消の鍵は、肩甲骨周りの筋肉のほぐしにあります。
簡単な体操として、まず両肘を曲げて指先を肩につけ、肘で大きく円を描くようにゆっくりと腕を回す運動が効果的です。
前回し・後ろ回しを各10回程度行いましょう。
また、タオルを使ったストレッチもおすすめです。
タオルの両端を持ち、背中側で上下に動かすことで、肩甲骨の可動域を広げることができます。
市販のストレッチリングを利用するのも良いでしょう。
ラジオ体操のように、一つの動作を5秒ほどかけてじっくり行うことを意識し、3分程度の短時間でも継続することが大切です。
入浴や蒸しタオルで肩周りを温めて血行促進
肩周りを温めることは、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげるのに非常に効果的です。
毎日の入浴では、38~40℃程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かり、体を芯から温めるようにしましょう。
時間がない場合は、蒸しタオルの活用がおすすめです。
水で濡らして軽く絞ったタオルを電子レンジで1分ほど加熱すれば、簡単に作ることができます。
その蒸しタオルを首の付け根や肩に直接当て、心地よい熱でじっくりと温めます。
特に首を温めることは、肩全体の血流改善につながります。
市販のカイロなどを活用するのも手軽な方法です。
市販の湿布薬や塗り薬を上手に活用する
痛みが強く、セルフケアだけではつらい場合には、市販薬を上手に活用するのも一つの方法です。
薬局やドラッグストアでは、さまざまな種類の湿布薬や塗り薬が販売されています。
消炎鎮痛成分を含むテープ剤やパップ剤は、患部に直接貼ることで痛みや炎症を和らげます。
ロキソニンなどの成分が含まれた製品が代表的です。
また、手が届きにくい背中などには、塗り薬タイプが便利です。
どうしても痛みが我慢できない場合は、内服薬という選択肢もありますが、使用の際は薬剤師に相談し、用法・用量を守って正しく使用することが重要です。
肩こりを繰り返さないために!今日からできる予防策
肩こりのつらい症状を一時的に解消しても、原因となる生活習慣を改善しなければ、再発を繰り返してしまいます。
慢性的な肩こりから抜け出すためには、日頃からの予防が何よりも重要です。
特別な対策だけでなく、日常生活の中の些細な意識や工夫が、肩への負担を軽減し、こりにくい体を作ることにつながります。
ここでは、今日からすぐに始められる具体的な予防策を紹介しますので、ぜひ習慣として取り入れてみてください。
正しい姿勢を意識してデスク環境を見直す
肩こり予防の基本は、正しい姿勢を保つことです。
特にデスクワーク中は、無意識に猫背になりがちなので注意が必要です。
椅子には深く腰掛け、骨盤を立てるように意識し、背筋を自然に伸ばしましょう。
パソコンのモニターは目線の高さか、やや下になるように調整し、画面と顔の距離を40cm以上離すのが理想です。
また、体を締め付ける窮屈な服は血行を妨げる一因となるため、リラックスできる服装を心がけることも大切です。
定期的に立ち上がって体を動かすなど、長時間同じ姿勢を続けない工夫も取り入れましょう。
ウォーキングなど軽い運動を習慣にする
肩こりの予防・改善には、定期的な運動が非常に効果的です。
運動によって全身の血流が良くなり、筋肉の緊張がほぐれやすくなります。
激しいトレーニングを行う必要はなく、ウォーキングや軽いジョギング、サイクリング、水泳といった有酸素運動を習慣にすることをおすすめします。
特にウォーキングは、腕を軽く振りながらリズミカルに歩くことで、肩甲骨周りの筋肉が自然と動き、血行促進につながります。
まずは週に2~3回、20~30分程度から始め、無理のない範囲で継続することが重要です。
寝具の高さを自分に合ったものに調整する
睡眠中の姿勢も肩こりに大きく影響します。
特に、枕の高さが合っていないと、首や肩周りの筋肉に負担がかかり、朝起きたときのこりの原因となります。
理想的な枕の高さは、仰向けで寝たときに首の骨が緩やかなS字カーブを保ち、横向きになったときには首の骨から背骨までが一直線になる状態です。
敷布団やマットレスが柔らかすぎると体が沈み込み、寝姿勢が崩れやすくなるため、適度な硬さのものを選ぶことも重要です。
自分に合った寝具で、睡眠中にしっかりと体を休ませることが予防につながります。
ただの肩こりじゃないかも?病院受診を検討すべきサイン
セルフケアを試しても症状が改善しない場合や、特定の症状が見られる場合は、単なる肩こりではなく、何らかの病気が隠れている可能性があります。
例えば、安静にしていても痛む、痛みが日に日に強くなる、腕や手にしびれや麻痺がある、指先が使いにくい、めまいや歩行障害を伴うといったサインには注意が必要です。
このような症状がある場合は、自己判断で放置せず、早めに整形外科を受診しましょう。
専門医による適切な診断を受け、原因に応じた治療を開始することが大切です。
まとめ
肩こりの多くは、長時間の同一姿勢や運動不足、ストレスなどが原因で起こる筋肉の緊張と血行不良によるものです。
その解消には、肩甲骨ストレッチで筋肉をほぐしたり、入浴で体を温めたりするセルフケアが有効です。
さらに、再発を防ぐためには、日頃から正しい姿勢を意識し、適度な運動を習慣づけることが重要です。
また、睡眠環境を整えることや、ビタミンB群など筋肉の疲労回復を助ける栄養をバランス良く摂取する食生活も、こりにくい体づくりに役立ちます。
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