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柔道整復師の肩こりマッサージ|整骨院・接骨院で治る?効果や施術内容を解説

柔道整復師の肩こりマッサージ|整骨院・接骨院で治る?効果や施術内容を解説

つらい肩こりに悩み、整骨院や接骨院での肩こり治療を検討している方も多いのではないでしょうか。
柔道整復師による施術は、単なるマッサージとは異なり、体の構造を熟知した専門家が根本原因にアプローチします。

この記事では、整骨院・接骨院で肩こりが改善する仕組みや具体的な施術内容、整形外科や整体との違い、保険適用の可否について詳しく解説します。
自分の症状に合った適切な選択をするための情報としてお役立てください。

柔道整復師による施術でつらい肩こりは改善が期待できる

柔道整復師は骨、関節、筋、腱、靭帯といった運動器に関する専門知識を持つ国家資格者です。
そのため、一時的な痛みの緩和だけでなく、肩こりを引き起こしている根本的な原因、例えば骨格の歪みや筋肉のバランスの乱れを見極め、的確にアプローチできる点が大きな魅力です。

解剖学や生理学に基づいた専門的な手技によって、痛みや不調を根本から改善し、再発しにくい体づくりを目指せるため、長年続くつらい肩こりの改善が期待できます。

まずは知っておきたい!肩こりを引き起こす主な原因

多くの人が悩む肩こりは、様々な要因が複雑に絡み合って発生します。
特に、長時間同じ姿勢を続けることによる首や肩周辺の筋肉への負担が大きな原因とされています。
近年では、スマートフォン操作などで前かがみの姿勢が続き、首の自然なカーブが失われるストレートネックが原因となるケースも増えています。

その他にも、体の冷えによる血行不良や精神的なストレスなども、肩こりを引き起こしたり悪化させたりする要因です。
根本的な改善のためには、まず自分の肩こりの原因を知ることが第一歩となります。

長時間のデスクワークなどによる筋肉の緊張

デスクワークやスマートフォンの操作などで長時間同じ姿勢を続けると、頭を支える首や肩周りの筋肉が常に緊張した状態になります。
特に僧帽筋などの筋肉は持続的に収縮し、硬直してしまいがちです。
筋肉が硬くなると、その中を通る血管が圧迫されて血行が悪くなります。

血行不良に陥ると、筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らず、乳酸などの疲労物質が蓄積しやすくなります。
この疲労物質が神経を刺激することで、重さやだるさ、痛みといった肩こりの症状として現れます。
特に前かがみの姿勢は、重い頭を支えるために首や肩への負担が通常よりも増大し、症状を悪化させる一因となります。

体の冷えが招く血行不良

体が冷えると体温を逃さないように血管が収縮し全身の血行が悪くなります。
血流が悪化すると筋肉に新鮮な酸素や栄養素が届きにくくなり同時に老廃物や疲労物質が排出されにくくなります。
その結果筋肉は酸素不足に陥り硬くこわばりやすくなってしまいます。

特に肩周りは衣服で覆われていなかったり筋肉の動きが少なかったりすることで冷えやすい部位です。
冬場の寒さだけでなく夏場の冷房が効いた室内で過ごす時間が長いと知らず知らずのうちに体が冷えてしまい慢性的な肩こりの原因となることがあります。
血行不良は筋肉の緊張を招き痛みを引き起こす悪循環を生み出します。

眼精疲労からくる首や肩への負担

パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間見続けると、目のピントを調節する筋肉が疲弊し、眼精疲労を引き起こします。
目の周りの筋肉が緊張すると、その緊張は神経を通じて首や肩の筋肉にも伝わります。
また、物を見ようと集中するあまり、無意識のうちに画面へ顔を近づけるような前かがみの姿勢になりがちです。

この姿勢は、頭の重さを支える首や肩の筋肉に大きな負担をかけ、直接的な肩こりの原因となります。
さらに、眼精疲労は自律神経の乱れにもつながり、全身の血行不良を招くことで、肩こりを一層悪化させることもあります。
目の疲れと肩こりが同時に現れる場合は、眼精疲労が原因である可能性が考えられます。

精神的なストレスによる自律神経の乱れ

人間関係や仕事のプレッシャーなど、精神的なストレスを感じると、体は無意識に緊張状態になります。
これは、自律神経のうち活動時に働く交感神経が優位になるためです。
交感神経が活発になると、血管が収縮して血圧が上がり、筋肉が硬直します。

この状態が長く続くと、肩周りの血行が悪くなり、筋肉に疲労物質が溜まって肩こりを引き起こします。
また、ストレスは痛みを抑制する脳の働きを低下させ、普段なら気にならない程度のこりでも、強く痛みを感じさせるようになります。
リラックスできずに常に心身が緊張している状態は、筋肉の回復を妨げ、慢性的な肩こりへとつながる悪循環を生み出します。

肩こりの悩みはどこに相談する?施設ごとの特徴を解説

つらい肩こりを改善したいとき、整骨院・接骨院、整形外科、整体院・マッサージ店など、いくつかの選択肢があります。
しかし、それぞれ提供されるサービスや目的、施術者の資格などが異なります。
自分の症状がどこで診てもらうのが最適なのかを判断するためには、各施設の特徴を正しく理解しておくことが重要です。

ここでは、施設ごとの役割やアプローチ方法の違いについて解説しますので、相談先を選ぶ際の参考にしてください。

柔道整復師がいる整骨院・接骨院の特徴

整骨院や接骨院では、国家資格者である柔道整復師が施術を行います。
柔道整復師は、骨折、脱臼、打撲、捻挫といったケガに対する専門家ですが、その知識と技術を活かして慢性的な肩こりにも対応します。
肩こりの原因がどこにあるのかを、筋肉や骨格のバランス、関節の動きなどから多角的に評価し、根本的な改善を目指すのが特徴です。

施術は手技療法が中心となり、硬くなった筋肉をほぐしたり、関節の動きを調整したりします。
必要に応じて電気療法や温熱療法などの物理療法を組み合わせることもあります。
痛みの緩和だけでなく、姿勢指導や運動療法を通じて、不調が再発しないための体づくりをサポートするところも少なくありません。

医師が診断する整形外科の特徴

整形外科は医師が診察を行う医療機関です。
最大の特徴はレントゲンやMRI、CTなどの画像検査を用いて痛みの原因を医学的に診断できる点にあります。
肩こりの背景に頚椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症、あるいは内科的な疾患といった病気が隠れていないかを鑑別します。
診断の結果に基づき医師は湿布や痛み止めの処方、注射、リハビリテーションの指示などを行います。

リハビリは理学療法士などの専門職が担当し運動療法や物理療法を通じて機能回復を目指します。
腕のしびれや激しい痛み、安静にしていても痛みが続くといった症状がある場合はまず整形外科を受診し正確な診断を受けることが推奨されます。

リラクゼーションを目的とした整体院・マッサージ店の特徴

整体院やマッサージ店は主に日々の疲れを癒し心身のリフレッシュを目的としたリラクゼーションを提供する施設です。
施術者は民間資格保有者や無資格者であることが多く医療行為は行えません。
そのため病気の診断や治療を目的とする場所ではありません。

施術内容は凝り固まった筋肉をもみほぐすことで一時的に血行を促進し緊張を和らげることに重点が置かれています。
慢性的な疲労感や軽い肩こりがありリラックスしたい場合には適しています。
ただし痛みの原因を根本から改善するというよりは対症療法的なアプローチが中心となるため症状が重い場合や持続する場合には他の選択肢を検討する必要があります。

こんな症状ならすぐ病院へ!整形外科の受診をおすすめするケース

単なる肩こりだと思っていても、中には危険な病気が隠れている可能性があります。
特に、肩の痛みだけでなく、腕や手に広がるしびれや痛み、力が入らないといった症状がある場合は注意が必要です。
これらの症状は、首の骨の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫する頚椎椎間板ヘルニアなどの可能性があります。

また、安静にしていても痛みが治まらない、夜間に痛みが強くなる、めまいや吐き気、頭痛を伴うといった場合も、自己判断で様子を見るのは危険です。
転倒して肩を打った後から痛みが続くようなケースも骨折の疑いがあるため、速やかに整形外科を受診し、医師による正確な診断と検査を受けることが重要です。

柔道整復師への相談が向いている肩こりの症状とは

整形外科で検査を受けて「骨に異常はない」と診断されたものの、依然として痛みやだるさが続く慢性的な肩こりは、柔道整復師への相談が適しているケースが多いです。
特に、長時間のデスクワークや悪い姿勢が原因で、筋肉のバランスが崩れている場合、柔道整復師は専門的な手技で筋肉や骨格の状態を整え、症状の改善を図ります。

また、腕が上がりにくいといった関節の動きの制限を伴う五十肩や四十肩の症状緩和や可動域改善も得意分野です。
肩こりだけでなく、頭痛や腰の痛みなど、体の他の部分にも不調が現れている場合、体の歪みが根本原因である可能性があり、全身のバランスを整えるアプローチが有効です。

整骨院・接骨院で行われる肩こりへのアプローチ方法

整骨院・接骨院では、一人ひとりの肩こりの原因や体の状態に合わせて、様々なアプローチを組み合わせて施術を行います。
カウンセリングと検査で痛みの根本原因を特定した上で、手技療法を中心に、電気療法や骨盤矯正などを組み合わせ、多角的に症状の改善を目指します。

目的は、単に現在の痛みを取り除くだけではありません。
痛みの原因となっている体の使い方や姿勢の癖を改善し、症状が再発しない体づくりをサポートするリハビリまで含めた、包括的なケアを提供することが特徴です。

手技による筋肉や関節の調整

整骨院接骨院における肩こり施術の中心となるのが、柔道整復師の手によるアプローチ、すなわち手技療法です。
これは、単に筋肉を揉みほぐすマッサージとは異なり、解剖学的な知識に基づいて行われます。
まず、どの筋肉が硬直し、血行不良を起こしているのかを正確に触診で見極めます。

その上で、硬くなった筋肉の深層部にまでアプローチして緊張を緩和させたり、動きが悪くなっている肩甲骨や背骨といった関節の可動域を広げたりします。
これにより、血流を促進させて痛みを和らげるだけでなく、関節の動きをスムーズにして、肩周りの負担を軽減します。
体の構造を理解した専門家だからこそできる、根本原因に働きかける施術です。

体の歪みを整える骨格・骨盤矯正

肩こりの多くは、肩そのものだけでなく、体全体の歪みが根本的な原因となっている場合があります。
例えば、体の土台である骨盤が傾いていたり、背骨が猫背のように丸まっていたりすると、上半身のバランスが崩れます。
その結果、重い頭を支えるために首や肩の筋肉に常に過剰な負担がかかり、慢性的な緊張と痛みを引き起こします。

骨格・骨盤矯正は、このような体の歪みを正しい位置へと整える施術です。
柔道整復師が手技を用いて骨盤や背骨のバランスを調整することで、筋肉にかかる不必要な負担を取り除きます。
これにより、痛みが緩和されるだけでなく、正しい姿勢を維持しやすくなり、肩こりの再発予防につながります。

専用機器を使った電気療法

電気療法は、手技では届きにくい体の深層部にある筋肉にアプローチしたり、痛みを和らげたりするために用いられる物理療法の一つです。
整骨院・接骨院では、低周波治療器や干渉波治療器といった専用の機器を使用します。
これらの機器から体に微弱な電気を流すことで、筋肉を直接刺激してポンプのように収縮させ、血行を促進します。

血流が改善されると、筋肉の緊張が緩和され、痛みや疲労の原因となる物質の排出が促されます。
また、電気刺激には、痛みを脳に伝える神経の働きを一時的にブロックする効果もあり、つらい痛みを素早く軽減させる目的でも使用されます。
手技療法と組み合わせることで、より高い施術効果が期待できます。

血行を促進する鍼灸治療

一部の整骨院・接骨院では、柔道整復師の資格に加えて、はり師・きゅう師の国家資格を持つ施術者が在籍しており、鍼灸治療を受けることができます。
鍼治療は、髪の毛ほどの細い鍼を特定のツボや硬くなった筋肉に刺すことで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
また、痛みを抑える物質の分泌を促したり、自律神経のバランスを整えたりする作用もあるとされています。

灸治療は、もぐさを燃やしてツボを温めることで、血流を改善し、体の自然治癒力を高めます。
特に、冷えやストレスが原因の肩こりに対して有効なアプローチとされ、手技療法とは異なる角度から症状の改善を目指します。

整骨院・接骨院での肩こり施術に健康保険は適用される?

整骨院・接骨院での施術を検討する際、健康保険が使えるかどうかは気になる点です。
結論から言うと、肩こりの原因によって保険が適用される場合と、適用されない場合があります。
すべての施術が保険適用になるわけではなく、健康保険組合が定めるルールに基づいています。

基本的には、日常生活の疲れなどからくる慢性的な肩こりは適用外となり、自費での施術となります。
一方で、急なケガが原因で痛めた場合には保険が適用される可能性があります。

慢性的な肩こりは基本的に保険適用外

整骨院・接骨院で健康保険が適用されるのは、原因がはっきりしている急性のケガ、具体的には骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷(肉離れ)に限られます。
したがって、長期間にわたるデスクワークや、加齢、姿勢の悪さなどが原因で起こる慢性的な肩こりは、この定義には当てはまりません。
このような「病気」とはいえない体の不調に対する施術は、健康保険の給付対象外とされています。

そのため、慢性的な肩こりの改善を目的として整骨院・接骨院で施術を受ける場合は、全額自己負担の自費診療となるのが一般的です。
料金体系は院によって異なるため、事前に確認することが大切です。

ケガが原因の痛みであれば保険が使えることも

慢性的な肩こりは保険適用外ですが、肩の痛みの原因がはっきりとしたケガによるものであれば、健康保険を使って施術を受けられる場合があります。
例えば、「朝起きたら首が回らなくなっていた」といった寝違えや、「重い物を持ち上げた際に肩をひねって痛めた」など、日常生活の中での急な動作によって筋肉や関節を痛めたと判断されるケースです。

このような急性または亜急性の外傷性の痛みは、健康保険の適用対象となります。
ただし、その痛みがケガによるものかどうかの判断は柔道整復師が行います。
受診の際には、いつ、どこで、何をして痛めたのかを具体的に伝えることで、保険適用が可能かどうかがスムーズに判断されます。

施術とあわせて行いたい!柔道整復師が教えるセルフケア

整骨院・接骨院での施術によって肩こりが楽になっても、日常生活の習慣が変わらなければ、症状は再発しやすくなります。
施術の効果を長持ちさせ、根本的な改善を目指すためには、日々のセルフケアが非常に重要です。

施術で整えられた体を良い状態で維持するためには、専門家によるアドバイスを日々の生活に取り入れることが不可欠です。
ここでは、柔道整復師が推奨する、家庭や職場で簡単に実践できるセルフケアの方法を紹介します。

仕事の合間にできる肩周りのストレッチ

デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、肩周りの筋肉が固まって血行が悪くなり、肩こりの原因となります。
これを防ぐためには、定期的に筋肉を動かして血流を促すことが有効です。
仕事の合間には、1時間に1回程度、意識的に休憩を取り、簡単なストレッチを行いましょう。
例えば、椅子に座ったままゆっくりと首を左右に回したり、肩をすくめてストンと落とす動作を数回繰り返したりするだけでも効果的です。

また、両手を背中で組んで胸を張るように伸ばすと、猫背になりがちな姿勢をリセットし、肩甲骨周りの筋肉をほぐせます。
痛みを感じない範囲で、リラックスして行うことがポイントです。

湯船に浸かって全身の血行を促す

忙しいとシャワーだけで済ませてしまいがちですが、肩こりの緩和には湯船に浸かる習慣が効果的です。
お湯に浸かることで体が温まり、血管が拡張して全身の血行が促進されます。
血流が良くなると、筋肉に溜まった疲労物質が排出されやすくなり、筋肉の緊張が和らぎます。

また、浮力によって筋肉や関節への負担が軽減され、リラックス効果も高まります。
お湯の温度は38~40℃程度のぬるめに設定し、15分ほどゆっくり浸かるのがおすすめです。
熱すぎるお湯は交感神経を刺激してしまい、かえって筋肉が緊張することもあるため注意が必要です。
入浴は心身のリフレッシュにもなり、ストレス性の肩こりにも良い影響を与えます。

日頃から正しい姿勢を意識する

肩こりの根本的な原因として最も多いのが、日常的な姿勢の悪さです。
猫背や前かがみの姿勢は、約5kgもある頭の重さを首や肩の筋肉だけで支えることになり、常に大きな負担をかけ続けます。
施術で体の歪みを整えても、日々の姿勢が悪ければすぐに元の状態に戻ってしまいます。

座るときは、お尻を椅子の奥まで入れて骨盤を立て、背筋を自然に伸ばすことを意識します。
立つときは、頭のてっぺんから糸で軽く吊られているようなイメージを持つと、首や肩に余計な力が入らずに済みます。
常に正しい姿勢を保つのは難しいですが、気づいたときにこまめに意識して正すだけでも、肩への負担は大きく軽減されます。

まとめ

柔道整復師は筋肉や骨格の国家資格者であり、整骨院・接骨院ではその専門知識を活かして、つらい肩こりの根本原因にアプローチします。
肩こりの原因は、筋肉の緊張や血行不良、ストレスなど様々であり、症状に応じて整形外科や整体院といった他の施設と使い分けることが重要です。

整骨院・接骨院では手技療法や電気療法、骨格矯正など多様な方法で施術が行われますが、慢性的な肩こりは基本的に健康保険の適用外となります。
施術で症状が改善した後も、ストレッチや入浴、正しい姿勢を意識するといったセルフケアを継続することが、再発を防ぎ、健康な状態を維持するために不可欠です。

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