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薬膳で冷え対策!体を温める食べ物・冷やす食材で冷え症改善

薬膳で冷え対策!体を温める食べ物・冷やす食材で冷え症改善

多くの方が悩む体の冷えは、薬膳の考え方を取り入れることで、日々の食事から改善を目指せます。
薬膳とは、体質や季節に合わせて食材を選び、体のバランスを整える食事法です。

この記事では、つらい冷え症を和らげるため、薬膳の基本的な考え方から、体を温める食材や冷やす食材の具体的な見分け方、季節に合わせた食事のポイントまでを解説します。
毎日の食生活を見直して、内側から温まる体づくりを始めましょう。

そもそも薬膳とは?冷え改善につながる基本的な考え方

薬膳は中医学の理論に基づいて、食材が持つ力で体の不調を整え、健康維持を目指す食事法です。
病気の治療ではなく、体質改善や健康増進を目的とします。

薬膳では、すべての食材に体を温める、あるいは冷やすなどの性質があると考えられており、自分の体質や季節の変化に合わせて食材を選ぶことが基本です。
冷えに悩む場合は、体を温める性質を持つ食材を積極的に取り入れ、逆に冷やす性質を持つ食材を避けることで、体のバランスを整えていきます。

食材が持つ性質「五性」とは?体を温めるか冷やすかを知ろう

食材には、体を温めたり冷やしたりする性質があり、これを「五性」と呼びます。
五性は体を温める方から「熱性」「温性」、どちらでもない「平性」、体を冷やす方から「涼性」「寒性」の5つに分類されます。
冷えが気になる場合は、熱性や温性の食材を意識して摂り、涼性・寒性の食材は控えるか、加熱調理するなどの工夫が必要です。

例えば、体を温める温性の食材には生姜やネギがあり、涼性のきゅうりも酢の物にして温性の酢と組み合わせることで性質を和らげることができます。
このように食材の性質を知ることは、自分の体調を目で見て判断し、食事を整える第一歩となります。

5つの味「五味」が体に与える影響

食材が持つ5つの味「五味」は、それぞれ体内の特定の臓器に働きかけると考えられています。
五味は「酸・苦・甘・辛・鹹」に分けられ、酸味は肝、苦味は心、甘味は脾、辛味は肺、鹹味は腎に影響を与えます。

例えば、辛味を持つ唐辛子や生姜は、体を温めて発汗を促し、体内の余分な熱や湿気を発散させる働きがあります。
それぞれの味をバランス良く摂ることが健康の基本ですが、冷えを感じる時には、体を温める辛味の食材を上手に取り入れるなど、体調に合わせて味を意識することも大切です。
ただし、特定の味だけを過剰に摂取するのは避けましょう。

冷え性改善のために意識したい!体を温める食材・冷やす食材

冷え性の改善には、まず食材の性質を知り、日々の食事で意識的に選ぶことが重要です。
体を温める性質を持つ「温熱性」の食材を積極的に食事に取り入れ、逆に体を冷やす性質を持つ「涼寒性」の食材は摂りすぎないように注意します。

ただし、体を冷やす食材も全く摂ってはいけないわけではありません。
調理法を工夫したり、温める食材と組み合わせたりすることで、その性質を和らげることが可能です。
自分の体調と相談しながら、バランス良く食材を選びましょう。

【温熱性】積極的に摂りたい!体を芯から温める食材例

体を内側から温めるためには、温性や熱性に分類される食材を積極的に取り入れましょう。
これらの食材は気や血の巡りを良くし、新陳代謝を活発にする働きがあります。
代表的な食材として、香味野菜の生姜、ネギ、にんにく、玉ねぎが挙げられます。
また、スパイス類の唐辛子、山椒、シナモン、胡椒も体を温める効果が高いです。

肉類では羊肉や鶏肉、魚介類ではエビやアジ、サバなどが温性に属します。
野菜ではかぼちゃ、にら、かぶ、根菜類もおすすめです。
これらの食材をスープや煮込み料理など、温かい調理法で食べることで、さらに体を温める効果が期待できます。

【涼寒性】摂りすぎ注意!体を冷やしやすい食材例

体を冷やす性質を持つ涼性や寒性の食材は、体内の余分な熱を冷ます働きがあるため、夏の暑い時期や体に熱がこもっている場合には適しています。
しかし、冷え性の人が摂りすぎると、症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。

代表的な食材としては、きゅうり、トマト、なす、レタスなどの夏野菜や、スイカ、メロン、梨などの果物が挙げられます。
また、豆腐、海藻類、緑茶も体を冷やす性質を持ちます。
これらの食材を食べる際は、加熱調理をしたり、体を温める生姜やネギなどの薬味を加えたりする工夫が大切です。
冷たい飲み物や生野菜サラダの摂りすぎには特に気をつけましょう。

季節の変化に合わせた薬膳で冷えを乗り切る

私たちの体は季節の移り変わりと共に変化します。
そのため、薬膳では季節に合わせた食事をすることが心身のバランスを保つ上で重要だと考えられています。
特に季節の変わり目は、気温の変化に体がついていけず、疲れなどの不調が出やすい時期です。

それぞれの季節の特徴を理解し、その時期に旬を迎える食材や、体の状態に合った性質の食材を選ぶことで、冷えをはじめとする不調を予防・改善し、一年を通して健やかに過ごすことにつながります。

【春】気血の巡りを促す食材で冬の冷えをリセット

春は冬の間に体内に溜め込んだものを排出し、気や血の巡りが活発になる季節です。
この時期は、気の巡りをスムーズにする香りの良い食材や、新陳代謝を促す食材を取り入れるのがおすすめです。
セロリ、三つ葉、春菊などの香味野菜や、新たまねぎ、たけのこ、ふきのとうといった春野菜が良いでしょう。

また、冬の間に負担がかかった「肝」の働きを助ける酸味のある食材も適しています。
ただし、酸味の摂りすぎは胃を刺激することがあるため、適量を心がけます。
冬の間に溜まった冷えをリセットし、活動的な春に向けて体の準備を整える食事を意識しましょう。

【夏】冷たいものの摂りすぎに注意し、適度に熱を冷ます

夏は気温と湿度が高く、体に熱がこもりやすい季節です。
そのため、きゅうり、トマト、冬瓜、スイカといった体の熱を冷ます働きのある涼性・寒性の食材を上手に取り入れることが大切です。

しかし、冷たい飲み物やアイスクリーム、冷やした食べ物の摂りすぎは、胃腸を冷やして消化機能を低下させ、夏バテやだるさの原因となります。
体の熱を冷ます食材を摂る際も、常温で食べたり、生姜やネギなどの温性の薬味を加えたりする工夫が必要です。
冷房の効いた室内で過ごすことが多い場合は、特に体を冷やしすぎないように温かいスープなどを食事に取り入れましょう。

【秋】乾燥から体を守り、潤いを与える食材を選ぶ

秋は空気が乾燥し始め、体も潤い不足になりがちな季節です。
この時期は、肺や気管支、皮膚などの乾燥を防ぎ、体に潤いを与える食材を意識して摂ることが大切です。
白い食材には体を潤す作用があるものが多く、梨、れんこん、白きくらげ、山芋、豆腐、大根などがおすすめです。

また、旬を迎えるきのこ類やさつまいも、かぼちゃなども栄養価が高く、体を整えるのに役立ちます。
夏の疲れが出やすい時期でもあるため、消化が良く、滋養のある食材で体をいたわりながら、冬に向けて体力を蓄える準備を始めましょう。

【冬】体をしっかり温め、エネルギーを蓄える食材が中心

冬は寒さが厳しく、体を温めて生命エネルギーである「気」を蓄えることが最も重要な季節です。
食事では、体を芯から温める温性・熱性の食材を積極的に取り入れましょう。
根菜類(ごぼう、にんじん、大根など)、かぼちゃ、栗、くるみなどがおすすめです。
肉類では羊肉や鶏肉、魚介類ではエビや鮭が体を温めます。

これらの食材を煮込み料理やスープなど、時間をかけて調理することで、栄養を効率よく吸収でき、体も温まります。
寒さで滞りがちな血行を促進するため、生姜やネギ、にんにくなどの香味野菜を上手に活用し、厳しい冬を乗り切りましょう。

食材選びだけじゃない!薬膳効果を高める食事のポイント

薬膳の効果を高めるためには、食材選びだけでなく、日々の食事習慣も非常に重要です。
いくら体を温める食材を摂っていても、食べ方や飲み物の選び方によっては、その効果が半減してしまうこともあります。
胃腸に負担をかけず、食べたものの栄養をしっかりと吸収できる体を作ることが、冷え改善の基本です。

ここでは、食材選び以外に気をつけたい食事のポイントを紹介します。
毎日の小さな積み重ねが、体質改善へとつながります。

水分の摂りすぎによる「水毒」を防ぐ工夫

水分は体にとって不可欠ですが、摂りすぎは水毒という状態を引き起こし、冷えやむくみ、だるさの原因となることがあります。
特に冷たい飲み物を一度に大量に飲むと、内臓が冷えて働きが鈍り、体内に余分な水分が溜まりやすくなります。
水分補給は、常温または温かい飲み物を、のどが渇いた時に少量ずつこまめに摂るのが基本です。

利尿作用のあるお茶(ハトムギ茶など)を選ぶのも良いでしょう。
食事の際も、水分の多いものばかりでなく、適度に体を温める食材と組み合わせることを心がけ、体内の水分バランスを整えることが大切です。

胃腸の負担を減らすためによく噛んで味わう

食べ物の消化吸収を行う胃腸は、体全体のエネルギーを生み出す重要な器官です。
胃腸の働きが弱ると、食べ物から十分な熱(エネルギー)を作り出せず、冷えの原因となります。
食事の際によく噛むことは、唾液の分泌を促して消化を助けるだけでなく、食べ過ぎを防ぎ、胃腸への負担を軽減します。

一口30回を目安に、食材の味や食感を楽しみながら、ゆっくりと時間をかけて食事をすることを心がけましょう。
早食いやながら食いは避け、食事に集中する環境を整えることも、消化吸収を高める上で効果的です。

砂糖や甘いお菓子の過剰摂取を避ける

白砂糖をはじめとする精製された糖分は、体を冷やす性質があると考えられています。
甘いお菓子や清涼飲料水を過剰に摂取すると、血行が悪化し、冷えを助長する可能性があります。
また、血糖値の急激な変動は、自律神経の乱れにもつながり、体温調節機能に影響を与えることもあります。

甘いものが欲しくなった時は、体を温める性質を持つ黒糖や、自然な甘みのあるドライフルーツ、温かい甘酒などを選ぶのがおすすめです。
完全に断つ必要はありませんが、摂りすぎには注意し、体を冷やさない甘味との付き合い方を考えましょう。

まとめ

薬膳は、日々の食事を通して体の内側からバランスを整え、冷えなどの不調を改善する考え方です。
基本となるのは、食材が持つ性質「五性」を理解し、体を温める食材を積極的に取り入れ、冷やす食材は控えるか調理法を工夫することです。
また、季節の変化に合わせて食事内容を調整し、胃腸に負担をかけない食べ方を心がけることも重要です。

特別な食材を必要とするわけではなく、身近な食材の選び方や食べ方を変えることから始められます。
自分の体調を観察しながら、無理のない範囲で薬膳の知恵を食生活に取り入れ、継続していくことが体質改善につながります。

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