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肩こりの原因とは?症状でわかる生活習慣と危険な病気

肩こりの原因とは?症状でわかる生活習慣と危険な病気

多くの人が悩まされている肩こりは、首筋から肩、背中にかけての不快な症状を指します。
その原因はデスクワークやスマートフォンの長時間利用といった生活習慣に起因することが多いですが、中には危険な病気が隠れているサインである可能性も否定できません。

つらい肩こりの背景には、筋肉の緊張や血行不良といったメカニズムが存在します。
この記事では、日常生活に潜む肩こりの原因から、注意すべき病気のサインまでを詳しく解説し、適切な対処法を見つけるための情報を提供します。

なぜつらい肩こりは起こるの?基本的なメカニズムを解説

つらい肩こりは、特定の原因によって肩周りの筋肉が緊張し、血行が悪くなることで引き起こされます。
主なメカニズムは、筋肉の持続的な緊張が血管を圧迫し、血流を滞らせることから始まるのが特徴です。

血行不良になると、筋肉に必要な酸素や栄養が届きにくくなる一方で、疲労物質が蓄積してしまいます。
この蓄積した疲労物質が末梢神経を刺激することで、こりや痛みといった不快な症状が発生するのです。
この悪循環が続くことで、肩こりは慢性化する傾向があります。

肩周りの筋肉の緊張が血行不良を引き起こす

肩こりの直接的な引き金となるのは、首から肩、背中にかけて広がる筋肉の緊張です。
特に、重い頭を支える僧帽筋は負担がかかりやすく、緊張状態が続きやすい筋肉として知られています。
長時間同じ姿勢を続けたり、精神的なストレスにさらされたりすると、肩周りの筋は無意識のうちに硬直します。

この筋肉の緊張が周囲の血管を圧迫し、結果として血行不良を招いてしまいます。
このようにして、肩の筋肉が硬くなることが、血行を悪化させる最初のステップになるのです。

血行不良で溜まった老廃物が神経を刺激する

筋肉の緊張によって血行不良が起こると、血液の流れが滞ります。
これにより、筋肉細胞に十分な酸素や栄養素が供給されなくなる一方で、活動によって生じた乳酸などの老廃物が排出されずに蓄積していきます。
この溜まった老廃物が、周辺の末梢神経を刺激することで、「こり」や「重だるさ」「痛み」といった肩こり特有の不快な症状を引き起こすのです。

この状態が続くと、痛みによってさらに筋肉が緊張し、血流が悪化するという悪循環に陥り、症状が慢性化しやすくなります。

あなたの肩こりの原因は?日常生活に潜む4つの習慣

多くの肩こりは、頸椎の病気といった特別な原因疾患がない限り、日々の生活習慣が大きく影響しています。
無意識のうちに行っている姿勢や行動が、肩周りの筋肉に過度な負担をかけているかもしれません。

ここでは、日常生活の中に潜む肩こりの主な原因を4つの習慣に分けて解説します。
自身の生活を振り返りながら、当てはまる項目がないかチェックしてみてください。
原因を特定することが、つらい症状を解消するための第一歩となります。

長時間のデスクワークやスマホ操作による悪い姿勢

長時間のデスクワークやスマートフォンの操作は、肩こりを引き起こす最も一般的な原因の一つです。
パソコンの画面をのぞき込んだり、スマホをうつむいて見続けたりする姿勢は、自然と頭が前方へ突き出る猫背の状態を招きます。

人間の頭は体重の約10%もの重さがあり、この重い頭を支えるために首や肩の筋肉には常に大きな負担がかかっています。
特に、なで肩の人は肩甲骨が下がりやすく、僧帽筋が常に引っ張られる状態になるため、より一層筋肉が緊張しやすくなります。
このような悪い姿勢が長時間続くことで、筋肉が硬直し、血行不良を引き起こしてしまうのです。

運動不足による筋力低下と血行の悪化

日常的に体を動かす習慣がないと、全身の筋力が低下し、肩こりを引き起こしやすくなります。
特に、肩周りの筋肉は重い頭や腕を支える重要な役割を担っており、筋力が弱いと少しの負担でも筋肉が疲労し、緊張してしまいます。

また、筋肉は血液を全身に送り出すポンプの役割も果たしているため、運動不足によって筋力が低下すると血行そのものが悪化しがちです。
加齢や老化によっても筋力は自然と衰えていくため、意識的に運動を取り入れないと、血行不良が慢性化し、肩こりが定着しやすくなります。

精神的なストレスによる筋肉の無意識な緊張

精神的なストレスも、肩こりの大きな原因となります。
悩みや不安、緊張などを感じると、自律神経のうち交感神経が優位になり、体は戦闘態勢に入ります。
このとき、血管は収縮して血圧が上がり、筋肉は無意識のうちに硬直します。

この状態が一時的なものであれば問題ありませんが、現代社会ではストレスが持続しやすいため、常に肩周りの筋肉がこわばった状態になりがちです。
このような無意識の緊張が慢性化すると、筋肉内の血行が悪化し、疲労物質が溜まることで、つらい肩こりにつながってしまいます。

冷えや眼精疲労が引き起こす血行不良

体の冷えは血行不良を招き肩こりを悪化させる要因です。
特に夏場の冷房が効いた室内に長時間いると体温調節のために血管が収縮し血流が滞りやすくなります。

またパソコンやスマートフォンなどで目を酷使することによる眼精疲労も肩こりと密接に関係しています。
目の周りの筋肉や神経が緊張するとその緊張が首筋から肩にかけての筋肉に伝わりこりを引き起こすのです。
さらにビタミンなどの栄養不足も血行不良の一因となるためバランスの取れた食生活も重要になります。

その肩こり、もしかしたら病気のサインかも?

多くの肩こりは生活習慣に起因しますが、中には注意が必要な病気が隠れているケースもあります。
いつものことだと自己判断で放置してしまうと、背後にある病気の発見が遅れる可能性も否定できません。

特に、マッサージやストレッチをしても改善しない、痛みが徐々に強くなる、肩以外の症状を伴うといった場合は、専門医による正確な診断が重要です。
まれに、歯の痛みや虫歯が原因で、関連痛として肩こりのような症状が現れることもあります。

首や肩周りの病気が原因の場合(頸椎椎間板ヘルニア・五十肩など)

肩こりが症状として現れる首や肩の病気は少なくありません。
代表的なものに、首の骨の間にあるクッション(椎間板)が飛び出して神経を圧迫する頸椎椎間板ヘルニアや、加齢により首の骨が変形する変形性頸椎症があります。

これらの病気では、肩こりに加えて腕や手、時には背中や腰にかけての痛みやしびれ、腰痛を伴うことが特徴です。
また、四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)は、肩関節の周辺組織に炎症が起こる病気で、腕が上がらない、夜間に痛むといった症状が見られます。
これらの場合は、首と肩の専門的な治療が必要です。

内臓の病気が原因の場合(高血圧・狭心症など)

肩こりは、内臓の病気が原因で起こることもあります。
特に注意したいのが心臓や血管系の疾患です。
高血圧や低血圧といった血圧の異常は、自律神経の乱れや血行不良を招き、肩こりの原因となりえます。
また、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患では、心臓の痛みが左肩や腕、あごなどに放散痛として現れることがあります。
胸の痛みや圧迫感を伴う場合は特に危険なサインです。

その他、貧血の状態では筋肉への酸素供給が不足し、肩こりを引き起こすこともありますので、めまいや立ちくらみなどの症状とあわせて注意が必要です。

うつ病や更年期障害など精神的な不調が原因の場合

精神的な不調やホルモンバランスの変化も、肩こりの原因となりえます。
うつ病や不安障害などの精神疾患では、気分の落ち込みだけでなく、自律神経のバランスが乱れることで身体的な症状が現れることが少なくありません。
筋肉の過度な緊張や血行不良が引き起こされ、原因がはっきりしない肩こりが続く場合があります。

また、更年期障害では、女性ホルモンの減少が自律神経に影響を与え、ほてりやのぼせ、イライラといった症状とともに、頑固な肩こりに悩まされることがあります。

【症状別】すぐに病院へ行くべき危険な肩こりのサイン

ほとんどの肩こりは心配のないものですが、中には重大な病気が隠れている危険なサインである場合があります。
これから紹介するような症状が肩こりと同時に見られる場合は、単なる疲れと自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。

早期発見・早期治療が重要になる病気の可能性も考えられます。

激しい頭痛や吐き気を伴うケース

肩こりと共に今までに経験したことのないような激しい頭痛や吐き気・嘔吐がある場合は極めて危険なサインです。
これらの症状はくも膜下出血や脳出血、髄膜炎といった緊急性の高い脳の病気でみられることがあります。

特に後頭部をハンマーで殴られたような突然の激しい痛みはくも膜下出血の典型的な症状です。
単なる緊張型頭痛とは明らかに異なる異常を感じた場合はためらわずに救急車を呼ぶなど迅速な対応が求められます。

手足のしびれや麻痺があるケース

肩こりに加えて、腕や手、足にしびれや麻痺が生じたり、力が入らなかったり、感覚が鈍くなったりする症状がある場合、神経が圧迫されている可能性があります。
考えられるのは、頸椎椎間板ヘルニアや後縦靱帯骨化症といった首の病気です。

これらの病気では、脊髄や神経根が圧迫されることで、肩だけでなく手足に症状が及びます。
また、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害でも、体の片側の麻痺やしびれが突然現れることがあります。
高熱を伴う場合は感染症の可能性もあり、いずれも早期の診断と治療が必要です。

胸の痛みや圧迫感を伴うケース

特に左側の肩こりとあわせて、胸が締め付けられるような痛みや圧迫感、息苦しさがある場合は、狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気を強く疑う必要があります。
これは心臓への血液供給が不足しているサイン(放散痛)であり、命に関わる緊急事態です。

痛みは肩だけでなく、左腕の内側やあご、歯に広がることもあります。
冷や汗を伴うことも多く、これらの症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼び、専門的な医療を受けることが不可欠です。

症状が徐々に悪化しているケース

一般的な肩こりは、休息やセルフケアである程度改善することが多いですが、ストレッチや入浴などで対処しても一向に良くならず、むしろ日を追うごとに痛みが強くなる場合は注意が必要です。
また、安静にしている時や夜間にも痛みが続く場合も、単なる筋肉疲労ではない可能性があります。

背後に、関節の炎症や腫瘍など、進行性の病気が隠れていることも考えられます。
症状が徐々に悪化していると感じたら、自己判断で様子を見ずに、一度医療機関を受診して原因を調べることが重要です。

肩こりに関するよくある質問

ここでは、肩こりに関して多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式でわかりやすく解説します。

ご自身の症状と照らし合わせながら、日々のケアや医療機関を受診する際の参考にしてください。

右肩や左肩だけがこるのはなぜですか?

片方の肩だけがこる主な原因は、体の歪みや生活習慣の癖にあります。
いつも同じ側の腕でカバンを持つ、利き腕ばかり使う、足を組むといった行動が、体の片方に負担を偏らせます。

まれに、右肩の痛みは肝臓、左肩の痛みは心臓といった内臓疾患のサインである可能性もあるため、強い痛みが続く場合は注意が必要です。

肩こりに効くストレッチや解消法はありますか?

首や肩甲骨をゆっくり回すストレッチ、ぬるめのお湯に浸かって血行を促進する入浴が有効な対策です。
痛みが強い場合は、温湿布や鎮痛消炎薬の使用、専門家によるマッサージや鍼灸療法も一時的な緩和に役立ちます。

根本的な解消には、姿勢の改善や適度な運動を習慣づけることが重要です。

肩こりがひどい場合、何科を受診すればよいですか?

まずは整形外科を受診するのが一般的です。
整形外科では、問診や触診に加え、レントゲンやMRIなどの画像検査を用いて、骨や関節、椎間板に異常がないかを詳しく調べることができます。

手足のしびれが主な症状の場合は神経内科、ストレスが原因と考えられる場合は心療内科が適していることもあります。

まとめ

肩こりの原因は、長時間の同一姿勢や運動不足、ストレスといった日常生活の習慣に起因するものが大半を占めます。
その基本的なメカニズムは、筋肉の緊張が血行不良を招き、蓄積した老廃物が神経を刺激することによるものです。

しかし、中には頸椎の病気や内臓疾患、精神的な不調が背景にあるケースも存在します。
激しい頭痛や手足のしびれ、胸の痛みなどを伴う場合は、重大な病気のサインである可能性があるため、速やかに医療機関を受診する必要があります。
自身の症状を正しく理解し、適切なセルフケアや専門家への相談につなげることが、つらい肩こりの解消への第一歩です。

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