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食欲がない時の栄養補給|手軽に摂れる食べ物・飲み物と食事のコツ

食欲がない時の栄養補給|手軽に摂れる食べ物・飲み物と食事のコツ

体調不良やストレスなどで食欲がないときは、無理に食べる必要はありませんが、栄養不足は回復を遅らせる原因にもなりかねません。
この記事では、食欲がないときでも栄養を補給するための食事の工夫や、コンビニなどで手軽に購入できるおすすめの食べ物・飲み物を紹介します。

食べられないつらさを感じている方は、できることから試してみてはいかがでしょうか。

食欲がなくなるのはなぜ?考えられる3つの原因

食欲不振は、誰にでも起こりうる身近な症状です。
その原因は一つではなく、身体的な問題から精神的なストレス、生活習慣の乱れまで多岐にわたります。
何も食べない状態が続くと体力低下につながるため、まずはなぜ食欲が湧かないのか、自身の状況と照らし合わせながら原因を探ることが大切です。

ここでは、食欲がなくなる主な原因を3つの側面から解説します。

身体的な不調や病気が隠れている

風邪やインフルエンザ、胃腸炎などの感染症にかかると、発熱や消化機能の低下によって食欲がなくなることがあります。
また、夏の暑さによる夏バテも、体内の水分やミネラルが不足し、自律神経が乱れることで食欲不振を引き起こす一因です。

慢性的な胃炎や逆流性食道炎、さらには甲状腺機能の異常やがんといった病気が隠れている可能性も考えられます。
何も食べない状態が続く、あるいは他の症状も伴う場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。

精神的なストレスや疲れがたまっている

仕事や人間関係の悩みといった精神的なストレスや、過労による肉体的な疲れは、自律神経のバランスを乱す大きな要因です。
自律神経は、胃腸の働きを含む内臓の機能をコントロールしているため、そのバランスが崩れると消化液の分泌が減ったり、胃の動きが悪くなったりして食欲が低下します。

強いストレスを感じると何も食べないという選択をしてしまいがちですが、栄養不足がさらに心身の不調を招く悪循環に陥ることもあるため注意が必要です。

生活リズムの乱れが影響している

不規則な食事時間、夜更かし、睡眠不足といった生活リズムの乱れは、体内時計を狂わせ、食欲をコントロールするホルモンの分泌に影響を与えます。
特に、朝食を抜くと、日中の活動に必要なエネルギーが不足するだけでなく、体温が上がりにくくなり、代謝の低下や倦怠感につながる場合もあります。

毎日決まった時間に食事を摂る習慣がないと、体は空腹のサインを出しにくくなり、結果として食欲不振に陥ることがあります。
何も食べない時間帯が長引くことも、生活リズムの乱れから生じる問題の一つです。

食欲がない時でも栄養を摂るための食事の工夫5選

食欲がないときは、無理に固形物を食べようとすると、かえって気分が悪くなることもあります。
しかし、栄養を全く摂らないわけにもいきません。
そんな時は、調理法や食べ方を少し工夫するだけで、食事が摂りやすくなる場合があります。

胃腸への負担を減らし、少量でも効率的に栄養を補給するための具体的な方法を紹介しますので、試しやすいものから取り入れてみてください。

消化しやすいように食材を細かく刻む・柔らかく煮込む

食欲がないときは、胃腸の機能も低下していることが多いため、消化しやすいように調理を工夫することが有効です。
食材を細かく刻んだり、ミキサーにかけたり、圧力鍋で柔らかく煮込んだりすると、咀嚼の負担が減り、消化吸収を助けます。

例えば、野菜をポタージュスープにしたり、魚をすり身にしてつみれ汁にしたりするのも良い方法です。
おかゆや雑炊、よく煮込んだうどんなどは、炭水化物を効率よく摂取できるため、エネルギー補給にも適しています。

1回の食事量を減らして食べる回数を増やす

一度にたくさんの量を食べられない場合は、1日3食という形にこだわる必要はありません。
1回の食事量を減らし、その分、食事の回数を1日4〜6回に増やす「分食」を試してみるのがおすすめです。

おにぎりやヨーグルト、ゼリー飲料などを間食として取り入れることで、無理なく1日の総摂取エネルギーや栄養素を確保しやすくなります。
食欲がないときにまとめて食べようとすると、胃もたれの原因にもなるため、少量ずつこまめに栄養を摂ることを意識すると良いでしょう。

香辛料や香味野菜で風味をプラスする

味が単調だと感じたり、食べ物の匂いが気になったりして食欲が湧かないときには、香辛料や香味野菜を活用して食事に変化をつけてみるのが効果的です。
梅干しやレモン、酢などの酸味は唾液の分泌を促し、食欲を刺激します。

また、生姜やネギ、しそなどの香味野菜や、カレー粉、こしょうといったスパイスの香りは、食事のアクセントとなり、食べやすさを向上させます。
ただし、香辛料は胃腸への刺激が強いものもあるため、体調に合わせて少量から試すようにしてください。

食べやすい温度に調整して口当たりを良くする

食事の温度は、食べやすさに大きく影響します。
一般的に、熱すぎるものや冷たすぎるものは、口内や胃腸への刺激が強くなることがあります。
食欲がないときは、人肌程度に冷ましたものが口当たりも良く、負担なく食べやすいことが多いです。

一方で、口の中が不快なときや吐き気がある場合は、プリンやゼリー、アイスクリームといった冷たいものの方が、のどごしが良く食べやすく感じることもあります。
自分の体調に合わせて、最も心地よく食べられる温度に調整することが重要です。

少量でも栄養価が高い食材を選ぶ

たくさんは食べられないからこそ、少量で効率よく栄養が摂れる食材を選ぶことが大切です。
特に、体力維持に欠かせないたんぱく質は意識して摂取したい栄養素です。
卵や豆腐、鶏のささみ、白身魚などは、消化しやすく良質なたんぱく質を含んでいます。

また、バナナやアボカドは、エネルギー源となる糖質や脂質に加え、ビタミンやミネラルも豊富です。
食欲がないときは、こうした栄養価の高い食材を、おかゆやスープに加えるなどして、少しずつでも食事に取り入れると良いでしょう。

【コンビニでも買える】食欲がない時におすすめの食べ物

体調が悪くて自炊が難しいときや、外出先で急に何か口にしたいとき、コンビニエンスストアは非常に便利です。
食欲がないときでも食べやすく、栄養補給ができる商品は数多くあります。
消化に良いもの、のどごしが良いもの、手軽に栄養バランスを補えるものなど、その時の体調に合わせて選ぶことができます。

ここでは、コンビニで手軽に購入できるおすすめの食品を紹介します。

のどごしが良く食べやすいゼリー飲料やヨーグルト

固形物を食べるのがつらい時に最適なのが、のどごしの良いゼリー飲料やヨーグルトです。
ゼリー飲料は、エネルギー補給を目的としたものや、ビタミン、ミネラル、たんぱく質などを強化したものなど種類が豊富で、栄養補助食品として非常に優れています。
自分の状態に合わせて必要な栄養素を手軽に補給できるのが魅力です。

ヨーグルトは、たんぱく質やカルシウムを手軽に摂取できる上に、腸内環境を整える働きも期待できます。
フルーツ入りや無糖タイプなど、好みに合わせて選びましょう。

温かくて消化に良いスープやおかゆ

食欲がないときは、温かいものが胃腸に優しく、体を内側から温めてくれます。
コンビニで手に入るレトルトのおかゆやフリーズドライのスープは、お湯を注ぐだけで手軽に準備できるため非常に便利です。
特に、卵や野菜が入った雑炊や、鶏肉などが入ったスープは、炭水化物とたんぱく質を同時に摂取できます。

インスタントの味噌汁やポタージュスープも、水分と塩分を補給するのに役立ちます。
消化に負担をかけずに、必要な栄養と水分を摂ることができる選択肢です。

手軽にたんぱく質が摂れる茶碗蒸しや豆腐

体力を維持するためには、たんぱく質の摂取が欠かせません。
食欲がないときでも食べやすい、たんぱく質が豊富な食品として、茶碗蒸しや豆腐が挙げられます。
これらは柔らかく、消化にも良いため、胃腸に負担をかけにくいのが特徴です。

コンビニで販売されているパックの茶碗蒸しは、温めるだけで手軽に食べられます。
豆腐は、冷奴としてそのまま食べたり、温めて湯豆腐にしたりと、体調に合わせて食べ方を変えることができます。
少量でも満足感を得やすく、栄養補給に適しています。

ビタミン補給ができるカットフルーツや果物の缶詰

果物に含まれるビタミンやミネラルは、体の調子を整えるのに役立ちます。
また、果物の持つ自然な甘みや酸味は、食欲がないときに口の中をさっぱりさせてくれる効果も期待できます。
コンビニでは、手軽に食べられるカットフルーツやフルーツの缶詰、冷凍フルーツなどが販売されています。

特に、ビタミンCが豊富な柑橘類やキウイフルーツ、消化酵素を含むパイナップルなどがおすすめです。
皮をむく手間がなく、すぐに食べられるため、体調が優れない時でも手軽に栄養補給ができます。

【水分補給にも】食欲がない時におすすめの飲み物

食欲がないときは、食事から摂取する水分量が減るため、脱水状態に陥りやすくなります。
固形物を食べるのが難しい場合でも、水分補給はこまめに行うことが重要です。

飲み物によっては、水分と同時にエネルギーやビタミン、ミネラルなどの栄養素も補給できます。
ここでは、水分補給を兼ねながら、効率的に栄養を摂ることができる飲み物を紹介しますので、体調に合わせて取り入れてみてください。

栄養素を効率よく吸収できる経口補水液

発熱や下痢、嘔吐などで体内の水分や電解質(ナトリウムやカリウムなど)が多く失われている場合に特に推奨されるのが経口補水液です。
これは、水分と電解質が体に最も効率よく吸収されるように成分バランスが調整されており、脱水症状の予防や改善に役立ちます。

一般的なスポーツドリンクよりも糖分が少なく、電解質濃度が高いのが特徴です。
薬局やドラッグストア、一部のコンビニでも購入できます。
栄養補助食品の一つとして、体調が特に悪いときのために常備しておくと安心です。

ビタミンやミネラルが豊富な野菜ジュースやスムージー

野菜や果物を固形で摂るのが難しい場合、ジュースやスムージーで手軽にビタミンやミネラルを補給する方法があります。
市販の野菜ジュースを選ぶ際は、食塩や砂糖が添加されていない、野菜汁100%に近いものを選ぶと良いでしょう。

ミキサーがあれば、自宅でバナナやほうれん草、ヨーグルトなどを組み合わせてオリジナルのスムージーを作るのもおすすめです。
これらは栄養補助食品として活用でき、食物繊維も摂取できるため、腸内環境を整える助けにもなります。

たんぱく質が摂れる牛乳や豆乳

牛乳や豆乳は良質なたんぱく質を手軽に補給できる優れた飲み物です。
たんぱく質は体力や免疫力の維持に不可欠な栄養素であり食欲がないときこそ意識して摂取したい成分です。
冷たいままでも飲めますが温めてホットミルクやホットソイミルクにすると胃腸への負担が少なくなりリラックス効果も期待できます。

栄養補助食品として販売されているプロテインパウダーを少量加えてたんぱく質を強化するのも一つの方法です。
きな粉やはちみつを加えると風味や栄養価がさらにアップします。

食欲不振の時に特に意識したい栄養素

食欲がないときは、食事量が減るため、体に必要な栄養素が不足しがちです。
特に、エネルギー源となる栄養素や、体の組織を作る材料となる栄養素が不足すると、体力の低下や回復の遅れにつながる可能性があります。
たくさんは食べられなくても、特定の栄養素を意識して摂ることで、体の機能を維持し、体調の悪化を防ぐことができます。

ここでは、食欲がないときに特に重要となる栄養素について解説します。

体のエネルギー源となる炭水化物

炭水化物(糖質)は、脳や体を動かすための主要なエネルギー源です。不足すると、エネルギー不足から倦怠感や集中力の低下を引き起こします。食欲がないときでも、まずはエネルギーを確保することが体力の維持につながります。

ごはんやパン、麺類などの主食から炭水化物を摂取できます。胃腸への負担を考慮する際は、おかゆや雑炊、よく煮込んだうどんなど、一般的に消化しやすいとされる食品を選ぶことも一つの方法です。ただし、消化の感じ方には個人差があるため、ご自身の体調に合わせて選択することが大切です。少量でも良いので、まずはこれらの摂取しやすい炭水化物を食事の中心に据えることを検討しましょう。

体力維持に欠かせないたんぱく質

たんぱく質は筋肉内臓皮膚血液免疫細胞など体を作るあらゆる部分の材料となる重要な栄養素です。
不足すると筋力が低下し体力が落ちるだけでなく免疫機能も低下して感染症にかかりやすくなります。

食欲がないときでも体力と抵抗力を維持するために意識して摂取する必要があります。
消化しやすく良質なたんぱく質源である卵豆腐鶏のささみ白身魚などをスープや茶碗蒸し湯豆腐といった調理法で取り入れるのがおすすめです。

少量でエネルギーを補える脂質

脂質は1gあたり9kcalと炭水化物やたんぱく質の2倍以上のエネルギーを生み出す効率の良いエネルギー源です。
少量しか食べられない食欲がないときにはエネルギー補給を助けてくれます。
ただし揚げ物や脂肪の多い肉類などは消化に時間がかかり胃もたれの原因になるため避けるべきです。

調理に使う油を良質な植物油(オリーブオイルなど)にしたりドレッシングやマヨネーズを少量活用したりアボカドや魚に含まれる脂質を摂ったりするのが良い方法です。

代謝をサポートするビタミン・ミネラル

ビタミンやミネラルは、炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素が体内でスムーズにエネルギーに変わったり、体の材料になったりする代謝の過程を助ける潤滑油のような役割を担っています。
これらが不足すると、いくら他の栄養素を摂ってもうまく活用できず、体の不調につながります。

食欲がないときは、食事全体の量が減るため、ビタミンやミネラルも不足しがちです。
野菜や果物、海藻類などをスープの具材にしたり、ジュースやスムージーを活用したりして、意識的に補う必要があります。

食欲を取り戻すために試したい生活習慣

食欲不振の改善には、食事の工夫だけでなく、日々の生活習慣を見直すことも非常に重要です。
ストレスや疲労、不規則な生活が自律神経のバランスを乱し、食欲の低下を招いているケースは少なくありません。

食欲がないときこそ、心と体の両面からアプローチすることが回復への近道です。
ここでは、食欲を取り戻すために日常生活で試せる、いくつかの具体的な方法を紹介します。

軽いウォーキングなどで体を動かす

体調が許す範囲で適度に体を動かすことは、心身のリフレッシュにつながることがあります。ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、全身の血行を促進し、胃腸の働きをサポートします。

また、体を動かすことでエネルギーが消費され、自然な空腹感を感じやすくなることがあります。食欲がないときは気分も沈みがちですが、外に出て新鮮な空気を吸うだけでも良い気分転換になります。無理のない範囲で、日常生活の中に少しでも運動を取り入れることを心がけてみてください。

十分な睡眠時間を確保して心身を休める

睡眠は心身の疲労を回復させ、自律神経のバランスを整えるために不可欠です。
睡眠不足が続くと、食欲を増進させるホルモンの分泌が増え、食欲を抑えるホルモンの分泌が減少するなど、食欲をコントロールするホルモンの分泌が乱れることがあります。
食欲がないときは体のサインと捉え、まずはゆっくりと休むことを優先しましょう。

毎晩決まった時間に就寝・起床するよう心がけ、質の高い睡眠を確保することが大切です。
寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見るのをやめ、リラックスできる環境を整えることも睡眠の質を高めます。

気分転換をしてストレスを解消する

精神的なストレスは、食欲に直接的な影響を与える大きな要因です。
ストレスを感じると、交感神経が優位になり、消化器官の働きが抑制されてしまいます。

そのため、自分なりのストレス解消法を見つけ、意識的にリラックスする時間を作ることが重要です。
趣味に没頭する、好きな音楽を聴く、ゆっくりお風呂に浸かる、友人と話すなど、何でも構いません。
食欲がないときは、食事のことばかり考えずに、一度気分転換を図ることで、心身の緊張がほぐれて自然と食欲が戻ってくることがあります。

食事を楽しむための環境を整える

食べなければならないというプレッシャーは、かえって食欲を減退させることがあります。
食事の時間を楽しいものにするための環境作りも、食欲回復の一助となります。
例えば、好きなデザインの食器を使ってみる、テーブルに花を飾る、リラックスできる音楽を流すといった工夫が考えられます。

また、一人で食事をするのがつらい場合は、家族や友人と一緒に食卓を囲むと、会話が弾んで自然と食事が進むこともあります。
食欲がないときこそ、食事の雰囲気作りを大切にしてみてください。

まとめ

食欲がないときは、無理に食べる必要はありませんが、何も食べない状態が続くと体力低下につながるため、食べやすいものから少しずつ栄養を摂ることが回復への第一歩です。
調理法を工夫したり、ゼリー飲料のような栄養補助食品を活用したりして、胃腸に負担をかけずにエネルギーを補給しましょう。

また、食欲不振の背景には、ストレスや生活習慣の乱れが隠れていることも少なくありません。
食事の工夫と並行して、十分な休養や適度な運動を取り入れ、生活リズムを整えることも重要です。
症状が長引く、または他の不調も伴う場合は、医療機関への相談を検討してください。

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