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寝すぎで頭痛が起きる原因とは?すぐにできる治し方と予防法を解説

寝すぎで頭痛が起きる原因とは?すぐにできる治し方と予防法を解説

休日に普段より長く寝てしまった後、すっきりするどころか、かえって頭が痛いと感じた経験はありませんか。
この寝すぎによる頭痛は、多くの人が経験する不快な症状の一つです。

なぜ良かれと思ってとった長時間の睡眠が、頭痛を引き起こしてしまうのでしょうか。
この記事では、寝すぎで頭痛が起こる主な原因を解説し、すぐに試せる対処法や、普段の生活で実践できる予防策について具体的に紹介します。

寝すぎで頭痛が起こる2つの主な原因

寝すぎた日の寝起きにズキズキと頭が痛むのには、はっきりとした理由があります。
その主な原因として、「片頭痛」と「緊張型頭痛」という2種類の頭痛が挙げられます。

どちらも睡眠との関連が深いものの、痛みが発生するメカニズムは異なります。
そのため、自分の頭痛がどちらのタイプに近いのかを理解することが、適切な対処への第一歩となります。
ここでは、それぞれの頭痛が起こる仕組みについて詳しく見ていきます。

原因1:脳の血管が拡張して起こる片頭痛

片頭痛(偏頭痛)は、寝すぎによって脳の血管が必要以上に拡張し、その周囲にある三叉神経を刺激することで発生します。
長時間睡眠をとると、心身をリラックスさせる副交感神経が優位な状態が続きます。
この状態が血管を拡張させ、こめかみや目の奥にズキン、ズキンと脈打つような痛みを引き起こすのです。

また、睡眠中は脳内の神経伝達物質であるセロトニンの量が変動し、睡眠から覚醒する際に急激に減少します。
このセロトニンの減少が血管の拡張を招き、片頭痛の一因になるとも考えられています。

原因2:不自然な寝姿勢による緊張型頭痛

長時間にわたって同じ姿勢で寝続けることも、頭痛の原因となります。
特に、自分の体に合わない高さや硬さの枕を使っていると、首や肩に不自然な力がかかり続けます。
その結果、周辺の筋肉が過度に緊張し、血行が悪化してしまいます。

この血行不良によって筋肉内に老廃物が溜まり、神経を刺激することで、頭全体が締め付けられるような重い痛みを引き起こします。
このタイプの頭痛は後頭部を中心に感じられることが多く、寝返りが少ない人や、体に合わない寝具を使い続けている場合に起こりやすい傾向があります。

【タイプ別】寝すぎによる頭痛の対処法

寝すぎによる頭痛が起きてしまった場合、その痛みの種類によって適切な対処法が異なります。
血管の拡張が原因の「片頭痛」と、筋肉の緊張が原因の「緊張型頭痛」では、対処を誤るとかえって症状を悪化させてしまう可能性があります。

まずは自分の痛みがどちらのタイプなのかを冷静に見極め、それぞれに適した方法で対処することが、つらい症状を速やかに解消する鍵となります。
ここでは、タイプ別の具体的な対処法を解説します。

片頭痛の場合:痛む部分を冷やして安静にする

ズキズキと脈打つような痛みがある片頭痛の場合、拡張した血管を収縮させることが痛みの緩和に効果的です。
濡らしたタオルや保冷剤、冷却シートなどを使い、痛みを感じるこめかみや額を冷やすと良いでしょう。
血管が収縮することで、神経への刺激が和らぎます。

また、片頭痛は光や音、においなどの外部からの刺激に敏感になる特徴があるため、できるだけ静かで暗い部屋で横になり、安静に過ごすことが回復を早めます。
血行を促進するマッサージや入浴は、血管をさらに拡張させて痛みを増強させる可能性があるため、症状がある間は避けるべきです。

緊張型頭痛の場合:首や肩周りを温めて血行を促す

頭が締め付けられるような重い痛みの緊張型頭痛には、片頭痛とは逆に、血行を促進するアプローチが有効です。
筋肉の緊張を和らげるため、蒸しタオルやカイロなどで首や肩周りを温めましょう。
ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かることも、全身の血行を良くし、リラックス効果も得られるため推奨されます。

また、凝り固まった筋肉をほぐすために、首をゆっくり回したり、肩を上げ下げしたりする軽いストレッチを取り入れるのも良い方法です。
血行が改善されると、痛みの原因となっている疲労物質が排出されやすくなり、症状が緩和します。

カフェインを含む飲み物で血管の収縮を助ける

カフェインには血管を収縮させる作用があるため、特に血管が拡張して起こる片頭痛の緩和に役立つことがあります。
頭痛を感じたときに、コーヒーや緑茶、紅茶といったカフェインを含む飲み物を適量摂取すると、痛みが和らぐ可能性があります。

ただし、カフェインの過剰摂取は、かえって頭痛を誘発する「カフェイン離脱頭痛」の原因になったり、利尿作用によって脱水を招いたりすることもあるため注意が必要です。
あくまでも痛みを一時的に抑えるための手段として、1〜2杯程度にとどめておくのが賢明です。

今日からできる寝すぎ頭痛の予防策

寝すぎによる頭痛は、一度起こるとその日一日を不快な気分で過ごすことになりかねません。
しかし、この頭痛は日々の少しの心がけで予防することが可能です。
つらい症状に悩まされないためには、その場しのぎの対処だけでなく、根本的な原因となる生活習慣を見直す対策が重要になります。

ここでは、日常生活の中ですぐに実践できる、寝すぎ頭痛の具体的な予防策をいくつか紹介します。

休日も平日と同じ時間に起きる習慣をつける

寝すぎ頭痛を予防する上で最も効果的なのは、体内時計を整えることです。
平日の睡眠不足を解消しようと、休日に長時間寝だめをするのは逆効果です。
起床時間が大幅にずれると、体内時計のリズムが乱れ、自律神経のバランスが崩れて頭痛を引き起こしやすくなります。

理想は、休日も平日と同じ時刻か、遅くとも1〜2時間以内には起きる習慣をつけることです。
もし睡眠時間が足りないと感じる場合は、起床時間を遅らせるのではなく、前日の就寝時間を少し早めることで調整するようにしましょう。

昼寝をするなら15〜20分程度にとどめる

平日の睡眠不足を補いたい場合や、日中に強い眠気を感じた際には、短時間の昼寝が有効です。
ただし、30分を超える長い昼寝は、深いノンレム睡眠に入ってしまい、目覚めたときに強い眠気や倦怠感、そして頭痛を引き起こす原因となります。

昼寝をするなら、午後3時より前に15〜20分程度で切り上げるのが理想的です。
この程度の仮眠であれば、夜の睡眠に悪影響を与えることなく、頭をすっきりとリフレッシュさせることができます。
アラームをセットし、本格的に寝入ってしまわないように注意しましょう。

自分に合った枕やマットレスを見直す

特に緊張型頭痛を頻繁に起こす場合は、毎日使っている寝具が体に合っていない可能性があります。
高さが高すぎたり低すぎたりする枕は、睡眠中に首や肩へ不自然な負担をかけ、筋肉の緊張や血行不良を招きます。

自分の体格や寝姿勢に合った枕を選ぶことで、理想的な寝姿勢を保ちやすくなり、頭痛の予防や改善が期待できます。
同様に、体が沈み込みすぎる柔らかいマットレスや、硬すぎて体圧が分散されないマットレスも、不自然な寝姿勢の原因となるため、自分に合ったものを見直すことが有効です。

注意!こんな頭痛は病院の受診を検討しよう

寝すぎが原因で起こる頭痛の多くは、生活習慣の改善や適切なセルフケアで対応できます。
しかし、中には単なる寝すぎの頭痛ではなく、危険な病気が隠れている可能性も否定できません。
市販の鎮痛薬(ロキソニンなど)を服用しても痛みが治まらなかったり、いつもとは明らかに違う種類の痛みを感じたりした場合は、自己判断で済ませずに医療機関を受診することが求められます。

ここでは、特に注意すべき頭痛のサインについて解説します。

これまでにない激しい痛みや急な頭痛

バットで殴られたようなと表現されるほどの突然で激しい頭痛は、くも膜下出血の典型的な症状です。
このような経験したことのないレベルの痛みを感じた場合は、命に関わる可能性があるため、ためらわずに救急車を呼んでください。

また、頭痛と同時に高熱が出ている場合は、髄膜炎といった感染症の疑いも考えられます。
その他、ろれつが回らない、物が二重に見える、視野が狭くなるといった症状を伴う頭痛も、脳の異常を示す危険なサインであり、速やかな受診が必要です。

めまい・吐き気・手足のしびれなどを伴う場合

頭痛に加えて、めまいや吐き気、手足のしびれ、体の片側の麻痺、けいれんといった症状が同時に現れた場合も、注意が必要です。
これらの症状は、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害の前兆である可能性があります。

特に、体の右半身または左半身のどちらか一方に症状が集中している場合は、脳に異常が起きている危険性が高まります。
症状が一時的で軽かったとしても、これらのサインを見逃さず、できるだけ早く脳神経外科や神経内科といった専門の診療科を受診するようにしましょう。

まとめ

寝過ぎによる頭痛には、脳の血管が拡張して起こる「片頭痛」と、不自然な寝姿勢による筋肉の緊張からくる「緊張型頭痛」の二種類が主な原因として挙げられます。
もし寝すぎたことで頭痛が起きた際は、まず自分の痛みの特徴からタイプを判断し、片頭痛なら冷やす、緊張型頭痛なら温めるというように、原因に合った治し方を試みてください。

根本的な解決策としては、休日に寝だめをする習慣をやめ、毎日同じ時間に起きることで生活リズムを整えることが有効です。
それでも症状が改善しない場合や、これまで経験したことのない激しい痛みを伴う場合は、自己判断せず専門医に相談しましょう。

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