花粉症の食事対策|効果的な食べ物と悪化させる食品で食生活を改善
花粉症のつらい症状は、薬だけでなく日々の食生活を見直すことでも対策が可能です。
花粉症に効く食事の基本は、症状を緩和する効果が期待できる食べ物を取り入れ、反対に悪化させる可能性のある食品を避けることです。
この記事では、花粉症対策に役立つ具体的な食べ物を紹介し、毎日の食生活から症状を改善する方法を解説します。
なぜ花粉症対策に食事が重要?鍵は免疫細胞が集まる「腸」にあり
花粉症は、体内に侵入した花粉を異物とみなした免疫システムが過剰に反応することが原因で起こるアレルギー疾患です。
この免疫と食事には深い関係があり、食事療法も花粉症対策の一つとして注目されています。
体内の免疫細胞の約7割は腸に集中しているといわれており、腸内環境を整えることが、免疫機能の正常化、ひいては花粉症症状の緩和につながると考えられています。
免疫機能のバランスを整えることが花粉症対策の基本
花粉症対策では、免疫力を単に高めるのではなく、そのバランスを正常に整えることが重要です。
花粉症は、特定の物質に対して免疫が過剰に働いてしまう状態を指します。
日々の食事を通じて腸内環境を整え、免疫バランスの乱れを正常化させることが、アレルギー反応の出にくい体質改善や症状の予防につながります。
まずは腸内環境を良好に保つ食生活を意識しよう
腸内環境を整えるためには、バランスの取れた食生活が基本です。
善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖、そして善玉菌そのものを含む発酵食品を積極的に摂取しましょう。
特に、さまざまな栄養素をバランス良く摂取できる伝統的な和食は、腸内環境を整える上で理想的な食事スタイルといえます。
花粉症の症状緩和に!毎日の食事に取り入れたい食べ物リスト
ここでは、花粉症の症状緩和におすすめの食べ物を紹介します。
これらの食材には、アレルギー反応を抑制したり、粘膜の炎症を和らげたりする成分が含まれており、毎日の食事に意識して取り入れることで、つらい症状の緩和が期待できます。
自分にとって取り入れやすいものから、花粉症に効く食事を始めてみましょう。
これらは症状の緩和によいとされる食べ物であり、花粉症に良い影響を与える可能性があります。
発酵食品|ヨーグルトや納豆で腸内の善玉菌をサポート
ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌、納豆に含まれる納豆菌などは、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。
腸内環境が整うことで、免疫機能のバランスが正常化し、アレルギー症状の緩和につながることが期待されます。
ほかにも味噌やキムチ、チーズなども発酵食品の仲間です。
青魚|サバやイワシに含まれるEPA・DHAでアレルギー反応を抑制
サバ、イワシ、アジ、鮭といった青魚に豊富に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、n-3系多価不飽和脂肪酸の一種です。
これらの成分には、アレルギー症状を引き起こす原因物質の働きを抑える作用があり、花粉症の症状を抑制する効果が期待されています。
刺身や焼き魚、缶詰などで手軽に摂取できます。
レンコン|ポリフェノールやタンニンが粘膜の炎症を和らげる
レンコンには、ポリフェノールやタンニンといった抗アレルギー作用や消炎作用を持つ成分が含まれています。
これらの成分が、鼻や喉の粘膜で起きている炎症を和らげる効果が期待されます。
また、ネバネバ成分であるムチンには粘膜を保護する働きもあります。
レンコンは、花粉症対策におすすめの野菜の一つです。
きのこ類|ビタミンDで免疫バランスの調整を助ける
きのこ類に豊富に含まれるビタミンDは、免疫のバランスを調整する働きを持つ重要な栄養素です。
ビタミンDが不足すると免疫機能に影響が出ることが知られており、適切に摂取することでアレルギー症状の軽減につながる可能性があります。
特に、きくらげや干し椎茸などに多く含まれています。
玉ねぎ|ケルセチンがヒスタミンの放出を抑える働きを持つ
玉ねぎの皮に多く含まれるポリフェノールの一種「ケルセチン」には、アレルギー症状の原因となるヒスタミンの放出を抑える働きがあります。
ヒスタミンは、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどを引き起こすため、その働きをブロックすることで症状の緩和が期待できます。
長ねぎなど、他のねぎ類にも含まれています。
しそ|ロズマリン酸がアレルギー症状の緩和に効果的
しそに含まれるポリフェノールの一種であるロズマリン酸は、炎症やアレルギー反応を抑制する効果が多くの研究論文で注目されています。ロズマリン酸は、アレルギー性鼻炎モデルラットを用いた研究で、鼻過敏症状の抑制が報告されています。また、マスト細胞からのヒスタミン放出を抑制し、アレルギー反応に関わるサイトカイン(IL-4やIL-13など)の産生を減少させることで、アレルギー症状を緩和すると考えられています。
チョコレート|カカオポリフェノールがアレルギー反応を抑制
チョコレートの原料であるカカオに含まれるカカオポリフェノールには、アレルギー反応を引き起こす抗体の働きを抑える作用があることが報告されています。
また、ヒスタミンの放出を抑制する効果も期待されています。
花粉症対策として取り入れる場合は、カカオ含有量の高いハイカカオチョコレートを選ぶのがおすすめです。
ただし、脂質や糖質も含まれるため、食べ過ぎには注意が必要です。
手軽に始められる!花粉症対策におすすめの飲み物
花粉症対策は、毎日の飲み物を見直すことでも手軽に始められます。
日々の水分補給に、アレルギー症状の緩和が期待できる成分を含んだお茶などを取り入れてみましょう。
また、野菜や発酵食品を使ったスープも、体を温めながら栄養を補給できるためおすすめです。
甜茶|特有のポリフェノールがヒスタミンの過剰な分泌をブロック
甜茶に含まれる「甜茶ポリフェノール」は、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの過剰な分泌を抑える働きがあることが知られています。
ノンカフェインであるため、時間帯を問わずに飲むことができます。
なお、厚生労働省の資料では、有効性を示唆する質の高い研究は限定的としながらも、関連情報の一つとして紹介されています。
緑茶(べにふうき)|メチル化カテキンが症状緩和に期待できる
緑茶の品種である「べにふうき」には、「メチル化カテキン」という成分が豊富に含まれています。
このメチル化カテキンは、アレルギー症状を抑制する効果が高いとされ、目のかゆみや鼻づまりといった症状の緩和が期待できます。
食事と食べ物の組み合わせを意識し、食後に一杯飲む習慣をつけるのも良い方法です。
乳酸菌飲料|手軽に善玉菌を摂取して腸内環境を整える
乳酸菌飲料は、腸内の善玉菌を手軽に摂取できる飲み物です。
継続的に飲むことで腸内環境が整い、免疫バランスの正常化をサポートします。
商品によって含まれる菌の種類や数が異なるため、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
糖分の少ないタイプを選んだり、お酢を使ったビネガードリンクを取り入れたりするのもおすすめです。
知らないうちに悪化させてる?花粉症シーズン中に避けたい食べ物・飲み物
花粉症の症状を緩和する食べ物がある一方で、摂取することで症状を悪化させてしまう可能性のある食べ物や飲み物も存在します。
特に花粉が多く飛散するシーズン中は、これから紹介する食品をなるべく控えるように心がけましょう。
アルコール飲料|ヒスタミンの産生を促し血管を拡張させる
アルコール飲料は、それ自体にヒスタミンが含まれているものがあるほか、体内でヒスタミンの産生を促す作用があります。
また、アルコールには血管を拡張させる働きがあるため、鼻の粘膜の血管が広がって鼻づまりを悪化させたり、目の充血を招いたりします。
喉の粘膜を刺激することもあるため、シーズン中の飲酒は控えめにするのが賢明です。
高脂肪・高カロリーな食事|腸内の悪玉菌を増やし免疫バランスを乱す
揚げ物や脂質の多い肉類などの高脂肪・高カロリーな食事は、腸内の悪玉菌を増やす原因となります。
悪玉菌が増えて腸内環境が悪化すると、免疫のバランスが乱れやすくなり、アレルギー反応が過剰に出やすくなる可能性があります。
花粉症シーズン中は、こうした食事の摂りすぎに注意が必要です。
ファストフードや加工食品|食品添加物が腸内環境に影響する可能性
ファストフードやインスタント食品、スナック菓子などの加工食品には、トランス脂肪酸や保存料、着色料といった食品添加物が多く含まれている場合があります。
これらの成分の一部は、腸内環境に影響を与え、免疫システムを乱すことでアレルギー症状を悪化させる一因になると考えられています。
白砂糖を多く含む甘いもの|炎症を引き起こしやすくなる
白砂糖を多く含むお菓子やジュースなどの過剰な摂取は、腸内の悪玉菌を増やすことにつながります。
また、血糖値の急激な上昇は、体内で炎症反応を促進させることがあり、花粉症による粘膜の炎症を悪化させる可能性があります。
甘いものが欲しくなったら、果物やオリゴ糖など、糖の種類を工夫すると良いでしょう。
特定の花粉に注意!アレルギー症状を引き起こす「交差反応」とは
花粉症の人が特定の生の野菜や果物を食べたときに、口の中や唇、喉にかゆみやピリピリとした刺激を感じることがあります。
これは「口腔アレルギー症候群(OAS)」と呼ばれ、花粉と食品のアレルゲンの間で起こる「交差反応」というアレルギー現象によるものです。
花粉と似た構造を持つ食品で起こるアレルギー反応について
交差反応は、アレルギーの原因となる花粉のアレルゲンと、特定の食品に含まれるタンパク質の構造が似ているために起こります。
体が食品のタンパク質を花粉と勘違いし、アレルギー反応を起こしてしまうのです。
症状は口周りに限定されることが多いですが、まれに鼻水や目のかゆみなど、全身症状を引き起こすこともあります。
加熱すれば食べられる場合が多いです。
【花粉の種類別】交差反応を起こしやすい食べ物一覧
交差反応は、どの花粉にアレルギーがあるかによって、原因となる食べ物が異なります。
自身の花粉症の原因となっている花粉の種類を把握し、関連する食品を知っておくことが大切です。
ただし、必ずしも全ての人が反応を起こすわけではありません。
スギ・ヒノキ花粉症で注意したい食べ物
日本で最も多いスギ花粉症やヒノキ花粉症の人が交差反応を起こしやすい食べ物として、トマトが知られています。
生のトマトを食べた際に、口の中にかゆみや違和感を覚える場合は注意が必要です。
シラカバ花粉症で注意したい食べ物
シラカバ花粉症の人は、リンゴ、モモ、サクランボ、洋ナシ、イチゴといったバラ科の果物や、大豆(特に豆乳)などで交差反応を起こすことがあります。
ブタクサ花粉症で注意したい食べ物
秋に飛散するブタクサの花粉症では、メロン、スイカ、キュウリといったウリ科の植物や、バナナなどで口腔アレルギー症候群の症状が出ることがあります。
花粉症の食事対策はいつから始める?効果を高めるためのポイント
花粉症の食事対策は、すぐに効果が現れるものではありません。
体質を少しずつ改善していくという意識で、継続して取り組むことが重要です。
ここでは、食事対策の効果を高めるためのポイントを解説します。
花粉が飛散する1〜2ヶ月前から継続するのが理想的
食事による体質改善には時間がかかります。
そのため、花粉が本格的に飛散し始める1〜2ヶ月前から対策を始めるのが理想的です。
シーズン前から腸内環境を整えておくことで、症状の本格化を予防し、シーズン中の症状を軽くする効果が期待できます。
毎日少しずつでもバランスの取れた食事を続けることが大切
特定の食品だけを大量に摂取するのではなく、さまざまな食材をバランス良く取り入れた食事を毎日続けることが基本です。
完璧なメニューや献立を目指す必要はありません。
まずはヨーグルトを一つ加える、料理に青魚やきのこを取り入れてみるなど、日々のレシピに一品加えることから始めてみましょう。
花粉症の食事に関するよくある質問
ここでは、花粉症と食事の関係について、多くの人が疑問に思う点をQ&A形式で解説します。
食事療法に取り組む上での参考にしてください。
Q1. 食事を変えたら、すぐに花粉症の症状は改善しますか?
食事療法は体質改善が目的のため、すぐに症状が治るわけではありません。
薬のような即効性はなく、効果を実感するには数週間から数ヶ月かかることが一般的です。
あくまで症状を緩和し、予防するための補助的な治療法として、根気強く続けることが大切です。
Q2. コンビニで手軽に買える花粉症対策におすすめの食品はありますか?
ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆巻き、めかぶやもずくのパック、サバやイワシの缶詰などが手軽でおすすめです。
食物繊維を補うために、野菜サラダや全粒粉パンを選ぶのも良いでしょう。
成分表示を確認し、なるべく添加物の少ないシンプルなものを選ぶのがポイントです。
Q3. 花粉症の薬を飲みながら食事療法を併用しても問題ありませんか?
食事療法と薬の併用については、一部の組み合わせで薬の吸収や効果に影響を与える相互作用が確認されています。そのため、併用して対策を進める際には注意が必要です。アレルギー以外の持病で治療中の方や、服用している薬との飲み合わせが気になる場合は、自己判断せず、かかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
花粉症の症状を和らげるためには、薬による治療とあわせて、日々の食生活を見直す対策が有効です。
基本となるのは、免疫細胞が多く集まる腸の環境を整えることです。
ヨーグルトなどの発酵食品や、青魚、レンコンといった症状緩和が期待できる食べ物を積極的に取り入れましょう。
一方で、アルコールや高脂肪食など、症状を悪化させる可能性のある食品は控えることが大切です。
花粉シーズンが始まる前から継続的にバランスの取れた食事を心がけ、つらい季節を乗り切りましょう。